ドローン産業はテクノロジーの進歩とも相まり、 物流、農業、不動産などあらゆる分野での商業利用が進んでいます。
また趣味としてドローン動画を撮影したり、その動画を編集して SNS にアップするなど、利用の方法も様々です。
このページでは、これからドローンを仕事にしたいと考えている方に向けて、仕事の種類や、取得しておくと有利となる資格などを総合的に解説していきます。
目次
ドローンの操縦に資格は不要
当然ながら車を運転するためには、自動車免許を取ることが必要です。
ドローンの操縦に何か特別な資格は必要あるのでしょうか?
結論から申し上げますと、ドローンを飛行させるために取得が義務付けられている特定の免許や資格はありません。
したがって、原則は誰でも自由にドローンを操ることができます。
しかし日本全国どこでもドローンを飛ばして良いというわけではなく、航空法の規制の元、そして各自治体の条例の中で利用していくことが求められます。
とはいえ、実際に私たち一般人がドローンに関する法律上の問題を理解するのは難しいですよね。
実際にドローンに関連をする法律としてどのようなものがあげられるのか見てみましょう。
- 航空法
- 小型無人機等飛行禁止法
- 電波法
- 道路交通法
このように見ると、操作技術に加えて、法規制や安全モラルなどを総合的に理解するスキルとして、認定資格の有効性がお分かりいただけると思います。
ドローンの資格があれば仕事には有利
ドローンを操縦するための資格は原則的に必要ないということがわかりました。
しかし就職や転職活動において資格があると、自分のスキルを公的に証明することができるという点で役立ちます。
ここでは、ドローンに関してどのような資格があるのかをいくつか例を挙げて紹介していきます。
ドローンの資格1. ドローン検定
数あるドローンの証明資格の中でも、一番有名なのがこちらのドローン検定です。
4級から1級の4段階に分かれており、1級を受験するためには2級を、2級を受験するためには3級の資格が必要です。
一番下のレベルの4級は数千円から受験することができますし、入門レベルとしては最適でしょう。
ドローンの資格2. JUIDA
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(通称:JUIDA) から発行されている資格です。
ドローンを安全に飛行させるための正しい知識や、操縦技術、安全のリスクマネジメントなど充実したコースです。
特定のコースを修了した後には「操縦技能証明書」や「安全運航管理者証明書」を得ることができ、今後のキャリアなどに活かすことができるでしょう。
ドローンを仕事とする上で知っておくべき法律
では実際にドローンを操縦する上でどのような法律が必要なのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
ドローンに関わる法律1. 航空法
国土交通省によると、航空法により主に以下のことを遵守する必要があります。
- 日中での飛行を心がけること
- ドローンが目視の範囲内であること
- 人や車、建造物などから最低でも30mは離れていること
- イベント会場などの催し場所での飛行禁止
- 危険物の輸送禁止
- 物件を投下することを禁止
これらの方法以外にドローンを使いたい場合には、国土交通大臣による承認が必要で所定の手続きを行う必要があります。
ドローンに関わる法律2. 小型無人機等の飛行禁止法
2016年4月に施行された当法律では、国が重要施設と定めた場所の周りでのドローン飛行を禁止しています。
対象施設の敷地内、及びその周囲約300mの上空が禁止範囲です。
重量が200g未満のドローンも法律の対象となりますので、充分に注意が必要です。
ドローンに関わる法律3. 電波法
私たちは日常生活の中で電波を利用しており、日常生活の中では欠かすことのできないものとなっています。
ドローンの操縦においても微弱ながら電波を使用するため、電波法を無視することができません。
DJIやParrotなどの大手メーカーから購入したドローンは問題ありませんが、海外製のドローンを海外で購入した場合には、日本の電波法の規格に合致するか確認をする必要があります。
ドローに関わる法律4. 個人情報保護法
個人情報保護法で知っておかなければならないのは「肖像権」や「プライバシーの侵害」といった個人情報にまつわるものです。
例えばあなたがドローンで空撮動画を撮って、加工をせずその動画をネット上にアップしたとします。
そこに居住者の顔や住宅の中の映像が写っていた場合は、本人の意思を無視してインターネット上に情報を公開してしまったことになります。
当事者がそれにより不利益を被った場合は、裁判などの訴訟問題に発展する可能性もあるのです。
ドローンの資格を活かした仕事例と年収について
ここからは、ドローンの資格を活かした仕事例と年収について見ていきましょう。
会社によっては入社後にドローンの資格に必要な費用を負担してくれるところもありますので、ぜひ活用してみてください。
ドローン操縦のスキルを活かせる仕事例
まずはドローンの操縦スキルを活かせる仕事についてです。
主に以下の5つが考えられます。
空撮カメラマン
ドローンを仕事にすると聞いて最初にイメージするのは、空撮カメラマンではないでしょうか。
最近のミュージックビデオやドキュメンタリー、テレビ制作においてもドローンの映像が活用されていることがわかります。
企業やイベントのPRとしても使われているため、ドローン空撮のカメラマンの仕事は、これからも需要を増していくことでしょう。
また多方面から仕事を受けるという意味では、フリーランスのような自由度の高い働き方を選ぶのも1つの戦略です。
動画編集技術と合わせることによって、仕事の受注率はさらに高まります。
測量士
近年において写真測量業界は、ドローン業界でも積極的に取り入れられています。
人がヘリコプターで上に行かずとも、ドローンで自由に移動できるとなれば納得のことです。
低コストかつ短時間で3Dの図面を撮影できるということから、ドローン測量士の需要が高まっています。
ドローン測量士として働くためには、写真測量業界に就職をするか、もしくは自分で起業するという選択が考えられます。
いきなり自分で事業を始めるのはリスクが伴うため、まずは会社に所属しつつ経験を積み独立をするというコースが主流です。
農薬散布
農薬散布は人が重たいタンクを持ち歩き広大な敷地に農薬を撒くという、時間と労力が必要な作業です。
これをドローンで代用しようというのが基本的なアイディアです。
日本において人手不足が進んでいる農業分野では、ドローンの活躍が非常に期待されています。
ITと農業を融合させる動きも近年特に加速しており、作物の収穫状況をドローンで判断するという農薬散布以外の使用も広がっています。
キャリアコースとしては、テクノロジーと農業の融合を目指す企業で、操縦士として働くという選択肢です。
ドローン警備
現場レベルでの導入は進んでないものの、ドローンをセンサーの一環として活用する方法が検討されています。
例えばある施設に誰かが侵入すると、まずはセンサーが感知し、必要があればドローンが自立飛行によって現場に駆けつけるというものです。
警察や消防、警備会社などとの業務的な連携の可能性も十分考えられます。
外装劣化診断(住宅リフォーム)
今までは外装の劣化判断を人が目で見て確認していたものを、ドローンの飛行により短時間で確認できるようにするというものです。
足場を組んでから屋根に上り目視で確認するという行程に比べて、ドローンは大幅なコストカットにつながります。
大まかな業界としては建築業界になります。
実際にドローンを使って外装判断やリフォームを行っている企業を探すのが、キャリアとして一番の近道です。
ビルや住居が密集した中で行う場合もありますので、正確な知識や安全な飛行技術を証明できる資格は一層役に立つのではないでしょうか。
ドローンを使った仕事の年収は?
日本においてドローンのスキルが活かせるポジションの平均年収ですが、2020年4月現在では約350万円〜550万円だと言われています。
また日本では副業としてドローン撮影をしている場合もあるため、ドローンの飛行技術を持っているから年収は〇〇円だと一概には言えません。
逆に海外では多くの大企業がドローンの投資に積極的だということもあり、年収が1千万円を超えるという事例もあるようです。
ドローンはまだまだ発展途上のビジネスですので、ドローンの飛行技術だけで生計を立てていくのは難しいのが現状です。
ドローン業界の年収アップは「イノベーション」
ドローン業界で年収や価値を高めていくためには、どのようなことに意識すれば良いのでしょうか。
それはズバリ常にイノベーションの思考を持つことです。
イノベーションとは既存の産業と新しい技術を組み合わるという意味です。
たとえば農業にドローンを使ったり、物流とドローンを組み合わせたりといった産業は、法整備も合わせて課題が山積になっています。
ドローンと組み合わせることで生まれる革新的なサービスはないか?という視点を日常的に持っておくことで、他者との差別化を図ることができるでしょう。
急成長の可能性を秘めるドローン業界
このページではこれからドローンの業界で働きたいという方に向けて、知っておくべき資格や法律、またキャリアの可能性などをご紹介してきました。
人々が手軽にドローンを操縦することができるとはいえ、やはり正確な知識や技術がなければ墜落させてしまったりという可能性もあります。
ドローン単独の事故なら大事には至りませんが、他人に危害を加えてしまった場合は賠償責任に問われることもあります。
ドローンを飛ばすための資格が不要だとはいえ、長期に渡って戦略的なキャリアを築いていきたい人は、資格の有無を検討してみてはいかがでしょうか。
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