「ついに手に入れたドローン!これからたくさん飛ばすぞ!」
でも、ちょっと待ってください。ドローンには飛行許可が必要な場合もあるんです。
「どんなドローンにでも飛行許可が必要なの?」
「飛行許可がいらないところはあるの?」
「飛行許可を取る申請の方法が知りたい」
といった方のために、この記事ではドローンに関する法律について詳しく解説していきます。
ドローンは比較的新しいものですので、まだ規制が定まっておらず、短い期間で法律の改正があったり、規制内容が変更されることがあります。
去年までは大丈夫だったのに、今年になったら違反になっていた…なんていうことにもなりかねません。
ドローンの規制に違反せず、安全に利用するためにも、最新のドローン規制情報を解説いたします。
この記事をしっかりとチェックし、ドローンに関する法律について理解を深めてみてください。
目次
ドローンの最新規制状況
ドローンは日々新たな規制ができており、法律の改正も進められています。
ドローンを使用する場合は現在どのような規制があるのかを確認したうえで違反しないよう気をつけて利用するようにしましょう。
ここでは2022年内に関わってくる最新のドローン規制情報をご紹介いたします。
ドローン操縦の国家資格化
2021年3月に航空法の一部改正を含む法案が閣議決定され、ドローンの操縦ライセンスが国家資格化される方針となっています。
現行では、人がいる上空でドローンを飛ばす際、操縦者が機体を視認できない飛行は認められていません。しかしこの方針により、国家資格保有者かつ国の承認を受けた機体に限り行えるようになる予定です。
2022年5月時点でまだ国家資格化はされておらず、いつから国家資格化するかについても未定なので、ドローンに関するニュースに注意しておきましょう。
詳細はこちらをご確認ください。
国土交通省航空局資料
ドローンの機体登録義務化
先述したドローン操縦の国家資格化に先駆けて2022年6月20日から、航空法違反事案や事故を防ぐ目的で、重量100g以上の機体対し登録が義務化されます。
これまでは「200g以上のもの」とされてきましたが、「100g以上のもの」に変更になる点にも注意しましょう。登録を怠ると罰則も課されることもあります。
登録された機体は国土交通省発行の登録記号を記したラベル等を貼り、「リモートID」機能を搭載する必要が出てきます。
詳細はこちらをご覧ください。
無人航空機登録ポータルサイト(国土交通省)HP
ドローン規制法の緩和
産業分野での活用拡大のため、国土交通省は2021年9月24日から航空法飛行規制を一部緩和しました。
今までは個別の許可や承認が必要でしたが、航行や地上の安全を損なう恐れがないと判断できる内容に関しては個別の許可や承認が不要となっています。
許可・承認が不要となるための条件としては、以下項目に該当し、かつ十分な強度を持つ30メートル以下の紐などで係留、飛行可能な範囲内で第三者が立入管理しドローンを飛行させる場合です。
(1)人口密集地上空
(2)夜間
(3)目視外
(4)第三者から30m以内の飛行
(5)物件投下
他にも、煙突や鉄塔などの高層の構造物の周辺は航空機の飛行が想定されないため、構造物から30m以内の空域はドローンの飛行ができることとなりました。
詳細はこちらをご確認ください。
国土交通省HP
ドローン規制とは?
ドローンには使い方や機体の状態によりドローン規制法が適用される場合があります。
ドローンは法律上では小型無人機と呼ばれていることがあり、小型無人機やドローンに関する様々な規則や法律による規制の総称です。
適用される場合があるというのは、そのシーンや場所によって規制される場合と規制されない場合があるからです。
同じ場所で飛行させるにしてもドローンの重量やイベントの有無などで飛行に許可が必要かどうかは変わってきます。
ドローンに関する法律は、状況によって規制が変わるものが多く、全てを把握するのは大変です。
しかし、分かりにくいからといって、ドローン規制を気にせず飛ばしてしまうと知らない間に「法律違反」となってしまって、「50万円以下の罰金」などといった罰則が課される場合もあります。
また、ドローン規制をする法律は様々なものがあります。
ドローンの飛行に関して明確に記載されている法律もあれば、ドローンの仕様や飛ばし方によって関わってくるものもあります。
それぞれ順番に解説していきましょう。
ドローンの飛行に関する主な規制は2つ。
- 航空法
- 小型無人機等飛行禁止法
この2つが、ドローンを規制する主な法律となっています。
その他にも、状況に応じて関わる規制は下記の4つ。
- 道路交通法
- 民法
- 電波法
- 都市条例等
これら4つはドローンを直接規制するような法律ではありませんが、これらはドローンを飛ばす場所や飛ばし方、ドローンの通信方法などに関わっていきます。
順番に解説していきましょう。
航空法
ドローンの法律で最も大きなウェイトを占めているのが「航空法」です。
「航空法」では200g以上のドローンが規制の対象とされています。
つまり2022年5月現在では200g未満のドローンは「航空法」での規制の対象外です。小型のトイドローンなどは規制には含まれません。
ただし、200g未満のドローンであっても他の法律の対象にはなるものもあるので確認を忘れないようにしましょう。
「航空法」での許可承認が必要なエリアでドローンを飛行させる場合は、航空局(国土交通大臣)からの承認が必要になります。申請の方法については 後ほど解説します。
「航空法」で規制されている飛行エリアは「飛行禁止区域(DID地区)」と呼ばれ、
- 空港等の周辺の上空の空域
- 人工集中地区の上空
- 150m以上の高さの空域
のエリアでドローンの飛行が禁止されています。
出典:国土交通省
これらの場所は厳密に定義が定められているわけではなく、飛行禁止区域かどうかわかりにくいのが難点です。
飛行禁止区域についての詳しい情報については「国土地理院の地理院地図」で確認できます。
またその他にも、飛行時に守らなければならないルールがあり
[1] アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
[2] 飛行前確認を行うこと
[3] 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
[4] 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
[5] 日中(日出から日没まで)に飛行させること
[6] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
[7] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
[8] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
[9] 爆発物など危険物を輸送しないこと
[10] 無人航空機から物を投下しないこと
引用元:国土交通省
そのうちの下記の内容でドローンを飛行させる場合は、国土交通省への飛行申請の必要があり、許可承認がおりなければ飛行できません。
出典:国土交通省
また、下記の4つの項目は、ドローンを操縦する上で遵守しなければならない内容となっています。
出典:国土交通省
小型無人機等飛行禁止法
航空法ではカバーしきれないような、 一時的な催し物の際に適用される法律が「小型無人機等飛行禁止法」です。
こちらの法律については「国土交通省」ではなく「警察庁」の管轄となります。
サミットのような国際的な会合や 国内の政治的な催しなどの際に、指定されたエリアと期間においてドローンの飛行が制限される法律です。
普段は飛行禁止されていないエリアであっても、突然「小型無人機等飛行禁止法」によって規制される場合があるので注意が必要になります。
規制された期間中に、そのエリアでドローンを飛行させた場合「1年以下の懲役、または50万円以下の罰金」になる場合があるので、気をつけましょう。
「小型無人機等飛行禁止法」で規制されているエリアで、ドローンを飛行させる必要がある場合は、
- 対象施設の管理者
- 土地の所有者等
からの同意を得た上で飛行させる48時間前までに「当該小型無人機等の飛行に係る対象施設周辺地域を管轄する警察署」に所定の様式の通報書を提出する必要があります。
道路交通法
道路における飛行を規制する法律が、「道路交通法」で、こちらも警察の管轄になります。
交通安全や円滑化、道路の危険防止を目的としています。
道路交通法では、道路の上空を飛行するだけの場合、特に規制はありません。
しかし、道路上での離発着や操縦、補助者の配置、立看板の設置などを必要とする場合は「道路使用許可」が必要となります。
上記の場合以外でも交通に著しい影響を及ぼすと判断された場合は「道路使用許可」が必要となる場合がありますので、事前に問い合わせをして確認しましょう。
道路使用許可が必要で申請した場合の可否判断は、航空法に基づく措置の内容が参考とされ、「道路交通法」の目的に対応するために必要な条件が付く場合もあります。
民法
ドローンの飛行に関わる民法は、民法207条「土地所有権の範囲」をはじめとして都市公園法、自然公園法、河川法など様々なものがあります。
飛行ルートに公園があったり、他人の民家や河川がある場合、それに対応した民法に沿った事前の対応をしましょう。
土地の所有者の許可なく、その土地の上空でドローンを飛行させた場合において、 不法行為となる場合があります。
特に民法207条「土地所有権の範囲」に関しては無許可で他人の土地に侵入してしまうと、騒音やドローンの落下などにより損害賠償を請求されてしまうことがあります。
そのようなことにならないためにも、民法207条の中でも「土地所有権の範囲」をよく確認しましょう。
土地所有権の範囲は、「上空」や「地下」にも所有権が認められており、特に上空に関しては法律上、地上から概ね300mまでが範
囲の上限とされています。
ただし、民法の内容はドローンを想定していないところもあるので、これから法整備がされていくことが予想されます。
電波法
ドローンを使用する際、操縦や画像伝送のため、電波を発射される無線設備のある機器がほとんどで、一定以上の電波が発射される場合、電波法令により無線局の免許が必要となります。
一般的なドローンにはあまり関係がありませんが、電波法もドローンの仕様によっては関わってきます。
FPVゴーグルを装着するタイプのドローンは5.8GHz帯の電波を使用しますが、この5.8GHz帯での通信には、「第4級アマチュア無線技士」や「第三級陸上特殊無線技士」の免許が必要となります。
また、使用するドローンには「技適マーク」がなければ電波法違反になってしまいます。
海外製のドローンなどには、付いていない可能性もあるので、ドローンの購入時には必ず確認するようにしてください。
無線局の免許には例えば下記のようなものがあります。
出典:総務省電波利用ホームページ
参考:ドローン等に用いられる無線設備について
都市条例など
都市条例等でも飛行の禁止や制限がされる場合があります。
都市条例は地域によって全く異なる場合が多いため、この点についてはドローンを飛行させる地域の役場などに問い合わせるのが最も確実でしょう。
ドローンには様々な法律が関わっているので、ドローンを飛行させる場合はこれらの法律についてしっかりと理解する必要があります。
知らなかったでは済まされません。
ドローンの規制についてしっかりと理解して、法律遵守の新しいドローン運用を出来るようになりましょう。
航空法の飛行禁止区域での飛行許可はオンラインで申請できる
「航空法」で 規制されているエリアや飛行方法でドローンを飛行させたい場合、「航空局(国土交通大臣)」への申請が必要になります。
申請の方法は、「DIPS(Drone/UAS Information Platform System)」を利用したオンライン申請で、
「無人航空機飛行許可申請」アカウントを作成することで簡単に24時間365日いつでも申請が可能です。
また、過去に申請したことがある内容でもう一度申請したい場合、過去に提出した情報をそのまま利用することもできます。
>>DIPS(Drone/UAS Information Platform System)はこちらから
【動作環境:パソコン】
OS | Windows10 |
ブラウザ | Internet Explorer 11.0 |
CPU | 2.50Ghz 以上 |
メモリ | 2.00GB 以上 |
【動作環境:スマートフォン/タブレット】
Androidの場合
OS | Android 10.0 |
ブラウザ | ブラウザ Google Chrome 88 |
IOS/ iPadOSの場合
OS | iOS 14.3 / iPadOS 14.3 |
ブラウザ | Safari 14.0.2 |
誰でも飛行許可がおりるわけではない
ドローンの飛行許可は、誰でも承認されるわけではありませんので、ご注意ください。
ドローンでの飛行経験やドローンの法律を熟知しているかなどを総合的に判断し承認がおります。
ドローンの飛行経験が全くない人やドローンの法律について全く知らない人には承認はおりません。
民間資格を取得していたり、一定の条件をクリアしている必要があります。
また、2022年5月現在「免許」はございませんので、認可されているドローンの民間資格を持っていれば申請書に添付ができ、審査時のドローン操縦能力やドローンに関する知識の確認が簡略化されます。
飛行許可を取るためにはドローンの民間資格を取るのが近道といえるでしょう。
なお、今後は民間資格から国家資格に移行していく可能性が非常に高いため、すでに民間資格をしている方でも、今後の飛行資格に関する動向は注意して確認するようにしてください。
飛行の許可・申請の手順
飛行の許可・申請を行うには、DIPS公式サイトより電子申請により行えます。
手順としては以下の手順です。
- DIPSのアカウントを作成する
→「DIPS(Drone/UAS Information Platform System)」のサイトに入り、無人航空機飛行許可申請の「はじめての方」より、個人・法人いずれかを選択してアカウントを作成します。
2回目以降の場合は「準備が済んでいる方」のログインを選択することでスムーズに申請できます。 - ドローンの機体・操縦者の登録をする
→実際に使用する機体と、操縦者の登録画面が表示されますので、登録します。 - DIPSに記載の団体技能認証の有無を選択する
→無人航空機の講習団体及び管理団体一覧に記載されている技能認証があるかについて確認し、有無を選択します。 - 申請書を作成・提出する
→申請書には、飛行の場所・目的・期間などを記入する必要があるので、明確にして提出してください。
より詳しいマニュアルは以下にてダウンロード可能です。
>>DIPS公式の操作マニュアルはこちら
申請書提出後、内容に不備があった場合はメールで訂正依頼が届きます。
その際はメールの内容に従って訂正し、再送付しましょう。
飛行許可の申請に有効な民間資格は
「航空法」で規制されている場合の飛行許可・申請には、指定されているドローンの民間資格を申請書に添付するのが有効です。
申請書に添付した場合は、ドローン操縦能力やドローンに関する知識の確認が簡略化されます。
現在認定されているドローンの民間資格は、
- JUIDA「無人航空機操縦技能証明証」「無人航空機安全運航管理者証明証」
- DJI CAMPスペシャリスト認定証
- DPA「ドローン操縦士・回転翼3級」
- ドローン検定「無人航空従事者試験1~4級」
の4つの団体が設けている資格です。
簡単に取れるものから、複雑な知識レベルが要求されるものまで幅広くありますが、飛行許可の申請を行うのが目的であれば、簡単なものであっても有利に働くので、資格取得のメリットは大きいでしょう。
飛行禁止エリアであっても自分で撮影を行いたいという方は、資格取得を検討してみてください。
ドローンの民間資格に関しては下記の記事で詳しく紹介しているので、 これからドローンを飛行させる機会が増える方は、民間資格についてチェックしてみてください。
まとめ:ドローンの許可・申請が面倒なら企業に依頼する方法も
ここまでドローン規制についての法律や飛行許可・申請/資格について詳しく解説していきましたが、正直「面倒くさい」と思われた方も多いのではないでしょうか。
忙しい毎日の中で、ドローンの練習やドローンに関する知識を身につけ、ドローンに関する資格や免許まで取得するのは簡単なことではありません。
そんな方にオススメするのが、ドローンの撮影を企業に依頼する方法です。
企業に依頼すれば面倒な申請手続きや撮影も全て一任して行ってくれます。
サムシングファンでは、ドローンの撮影や撮影した映像の編集、さらには映像活用までを得意としています。
もちろん撮影機材や技術もプロクオリティ。
ハイレベルな撮影を求めているのであれば、映像制作会社「サムシングファン」にご依頼ください。
また、サムシングファンでは動画クリエイターとして案件を獲得するコツも紹介しています。
動画編集の仕事に興味がある方はぜひチェックしてみてください。