「研修動画を作りたい。でもどんなものなんだろう……」
と考えている企業は多いのではないでしょうか。
研修動画は新入社員向けのマナーを伝えるもの、仕事の流れを伝える従業員研修を目的としたものがあります。
2020年は特に、新型コロナウイルスの影響によって導入する企業が増えました。
研修動画はこれまでの講義形式よりも、「テキストよりも理解しやすい」「会場や講師などコストが削減できる」などのメリットがあります。
導入することで、新入社員や従業員の研修に効率よく取り組むことが可能です。
そこで今回は、
- 研修動画の事例と形式
- 研修動画のメリット
- 実際に動画を作成するポイント
- 研修動画の制作におすすめのサービスや企業
を順に紹介します。
今回の記事を参考にしながら、動画による研修へ移行していきましょう!
目次
研修動画の市場や注目度
研修動画を含むeラーニングの市場は成長を続けている注目の市場です。
2016年~2020年のデータは、以下のようになっています。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年(見込み) | 2020年(予測) | |
市場規模 | 1,767億円 | 2,000億円 | 2,185億円 | 2,354億円 | 2,460億円 |
この市場規模の推移から見てもわかるように、研修動画に対する注目が高まり、取り入れる企業が増えてきているため、導入を前向きに検討するべきだと言えるでしょう。
【新入社員・社内研修】企業が公開している研修動画の事例
まずは研修動画の事例を、
- 新入社員研修
- 従業員研修
- 社内研修
に分けて紹介します。
事例1.日経BP 日本経済新聞出版本部【新入社員研修】
日経BP 日本経済新聞出版本部が提供する、新入社員向けの研修動画です。
ドラマのように、実際に働いている様子を通した学生と社会人の違いや、意識しておきたいポイントを解説。
およそ3分の動画に、入社したばかりの社員が知っておきたい情報が集められています。
事例2.三井不動産商業マネジメント【従業員研修】
三井不動産商業マネジメントが「ららぽーと」で働く従業員に向けた研修動画です。
動画では、実際に働くスタッフの様子を映した後、1日の流れや施設に入るルールなどを解説しています。
実際のスタッフの目線で作られているため、これから働く人が自分の仕事をイメージしやすくなっています。
事例3.ラックセキュリティアカデミーオンライン【社内研修】
ラックセキュリティアカデミーオンラインが提供する、テレワーク中の情報管理に関する社内研修動画です。
カラフルなアニメーションに加えて、テキストで解説しながら情報管理について解説。
テキストを箇条書きにするなど、さらに分かりやすくなっています。
研修動画には3つのタイプがある
次は研修動画のタイプとして、
- セミナー形式
- マニュアル形式
- ドキュメンタリー形式
の3つを紹介しますね。
タイプ1.セミナー形式【新人に向けたビジネスマナーの講義など】
セミナータイプとは、授業のように講師1人が大人数の生徒に対して話す形式です。
動画の場合、講師が生徒に向かって話しているように解説しているところを撮影します。
セミナー形式の動画は、
- 新入社員の研修
- マナー講習
などに活用されています。
タイプ2.マニュアル形式【接客や仕事の様子、クレーム対応など】
マニュアルタイプとは、仕事の流れや接客、店舗運営などの様子を説明するものです。
主にアパレルや飲食、テーマパークなど接客業で活用されることが多いです。
例えばアパレル業界で接客の様子を説明しようとしても、文章だけではなかなか表現しにくいですよね。
動画は実際にお客さまと接する様子を目や耳から理解できるため、よりイメージしやすくなっています。
タイプ3.ドキュメンタリー形式【社員インタビューなど】
ドキュメンタリータイプとは、実際の社内や働く様子を撮影した動画です。
特徴は社員が実際に働いている様子など、リアリティかつストーリー性をもたせていること。
ドラマのような内容なので、見ている人は飽きません。
また一緒に働く人の考えなども知れるため、企業理念などをしっかりと伝えたい場合にもおすすめです。
企業が研修動画を作成するメリット
続いては、企業が研修動画を制作するメリットとして、
- 文章よりも理解が深まりやすい
- 会場や講師を手配する手間がかからない
- 場所や時間を問わず社員教育ができる
の3つを紹介しますね。
メリット1.文章よりも伝わりやすく、理解が深まりやすい
先ほど研修動画は映像のため、目や耳から情報を得るとお伝えしました。
動画は直感的に情報を理解できるため、文章よりも理解が深まりやすいといわれています。
また音楽やストーリーなども活用できるため、表現の幅が広がることも。
視聴者の印象にも残りやすく、伝えたいことをしっかりと届けられるはずです。
メリット2.会場や講師を手配する必要がないため、コスト削減が期待できる
動画を通した研修は、これまでのように会場や講師を毎回手配する必要がありません。
会場や講師の手配にかかっていた費用と時間は、1度で完結。
コストを大幅に節約できます。
メリット3.場所や時間を問わずに社員教育ができ、業務の効率化にもつながる
動画はスマホやパソコン、インターネット環境があれば、時間や場所を問わずに視聴できます。
何度も同じことを説明する手間や準備にかかる時間を省けるため、業務の効率化につながります。
特に2020年、新型コロナウイルスの影響で多くの研修が中止となりました。
接触を避けるために、オンライン上の研修に移行した企業も多いです。
動画による研修は、感染症の流行や地震など、災害の影響がある中でも実行可能。
また複数支社の社員に対して一斉に講義ができ、これまで研修にかかっていた手間を省くことができます。
企業が研修動画を作成するデメリット
さまざまなメリットのある研修動画ですが、デメリットがないわけではありません。
企業が研修動画を作成する3つのデメリットについて紹介していきます。
デメリット1.費用がかかる
研修動画を外注する場合、外注費用がかかります。
かかる費用は依頼する内容や業者によって異なりますが、数十万円~数百万円程度はかかると考えておくべきです。
一度しっかりとしたものを作ってしまえば何度も作成する必要はありませんが、それなりの費用がかかるのは研修動画を作成するデメリットの一つと言えるでしょう。
デメリット2.浸透するのに時間がかかる
研修動画を含むeラーニングの制度を初めて導入する場合、会社の規模が大きければ大きいほど、そのシステムが社内で浸透するのに時間がかかります。
研修動画の概要や導入した背景、メリットなどを説明し、社員が自ら研修動画で学びたいと思ってもらえる環境や風土を構築しなくてはいけません。
デメリット3.動画が視聴できる環境が整っている必要がある
先ほど紹介したように、研修動画はパソコンやスマホなどの端末とインターネットに接続できる環境があれば場所を選ばずに視聴できます。
しかし、動画はデータの容量が大きいため、通信制限になってしまう可能性があります。
月々の通信量に余裕のあるプランを契約していたり自宅のインターネット環境が整っていたりする場合は問題ありませんが。
ただ、必ずしもそういった社員ばかりではありません。
動画で学べる環境をどう整えるか、あらかじめチェックしておきましょう。
企業が研修動画を作成するときのポイント
続いては、研修動画を制作するポイントとして、
- ふりかえりや効果測定のツールも作成する
- テキストも用意する
- YouTubeなどにもアップロードする
の3つを解説します。
ポイント1.動画を視聴した後のふりかえりや効果測定のツールも作成する
動画による研修に取り組むとき、視聴した後のふりかえりや効果測定ができるツールも用意しておきましょう。
例えば新入社員研修は、「企業理念を理解する」「社会人としてのマナーを知る」などの目的があるかと思います。
このような目的は達成できているかどうか、チェックすることが欠かせません。
またふりかえりのワークによって、理解が深まることも多いです。
動画だけでなく、効果測定のツールも用意しておくと研修はより充実します。
ポイント2.テキストもあわせて用意しておく
先ほど、動画はテキストよりも伝わりやすいとお伝えしました。
ただしセミナーやマニュアル形式の研修動画は、文章の資料も用意しておくのがおすすめです。
例えばマニュアル形式の動画で、クレームを避ける接客を説明したとしましょう。
動画で正しい接客を表現することは可能ですが、「なぜこのような接客をする必要があるのか」など、理由の部分までは表現できません。
テキストで理由など補足しておくことで、理解はさらに深まるはずです。
ポイント3.YouTubeなど無料で閲覧できるサイトにも掲載してみる
研修動画を制作したら、自社のYouTubeアカウントなどにも掲載してみましょう。
特に社員インタビューは、採用活動などにも活用できます。
さらには多くの人の目に止まり、自社の知名度が高まることも。
研修以外にも役立つので、YouTubeなどSNSへのアップロードも検討してみてください。
採用動画について、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
企業が研修動画を制作する流れや作り方
ここからは、実際に研修動画を制作する方法として、
- 自社内で制作
- 研修サービスの企業に依頼
- 動画制作会社などプロに依頼
の3つを紹介します。
作り方1.社員で動画を制作し、自社のシステム上で公開する
社内で動画を制作すると、外部への依頼費用はかかりません。
専門知識を持つスタッフがいると、自社内で作成することが可能です。
そして自社内のシステムなどに公開し、社内で共有しましょう。
作り方2.研修サービスの企業に作成から配信まで依頼する
新入社員研修など、外部企業に講師をお願いしている企業も多いのではないでしょうか。
その場合、研修サービスの企業に動画制作を依頼することも可能です。
動画作成はもちろん、もともと研修を担当しているため、内容のクオリティは期待できます。
作り方3.動画制作会社に依頼し、撮影や編集をプロに任せる
クオリティの高い動画を作成したい場合は、プロである動画制作会社に依頼しましょう。
動画制作会社は、さまざまな企業やジャンルの動画を制作した実績があります。
別途費用はかかりますが、プロによる撮影や編集なのでクオリティはもっとも期待できます。
次で、実際に依頼できるサービスや企業を見ていきましょう。
研修動画を作成するときにおすすめの配信サービスや制作会社
ここからは、研修動画を依頼できるサービスや制作会社として、
- 株式会社サムシングファン
- 社株式会社ラーニングエージェンシー
- JEbooster
の3つを紹介します。
おすすめ1.株式会社サムシングファン
引用:サムシングファン
サムシングファンは、さまざまな目的やジャンルの動画制作をしてきた企業です。
- 実写やアニメーションなど多様な動画を作成可能
- 費用はおよそ50万〜200万と予算にあわせてカスタマイズ
- 効果測定のツール「DOOONUT」なども提供
これまでの実績は「映像制作実績」をご参照ください。
おすすめ2.株式会社ラーニングエージェンシー
株式会社ラーニングエージェンシーは、オンライン上の動画研修を提供しているサービスです。
- 定額制なのでコストが気になりにくい
- テレワークにも対応した動画内容
- 確認テストやふりかえりツールなども提供
研修と動画制作をあわせて依頼したい企業におすすめです。
おすすめ3.JEbooster
引用:JEbooster
JEboosterは、eラーニングの動画を提供する企業です。
- およそ500本の研修動画を用意
- 動画は1つあたり5分と短く、スキマ時間にも視聴可能
- 受講管理機能などもあわせて利用可能
実績のあるサービスを利用したい企業におすすめです。
終わりに:研修動画を作成して新入社員や社内のレベルアップにつなげる
今回は、研修動画について解説しました。
ここまでをまとめると、研修動画には以下3つのタイプに分けられます。
- セミナー形式
- マニュアル形式
- ドキュメンタリー形式
そして研修動画の作成には、以下のようなメリットがあります。
- 文章よりも理解が深まりやすい
- 会場や講師を手配する手間がかからない
- 場所や時間を問わず社員教育ができる
ポイントをふまえて作成すると、より分かりやすい研修動画になるはずです。
最後に紹介した動画制作企業やサービスも参考にしながら、動画による研修を検討してみてくださいね!