「マニュアルを動画で作成したい……」
と考えている企業は多いのではないでしょうか。
マニュアルはこれまでテキストが主流でしたが、技術の発達や新型コロナウイルスの流行などによって、動画で制作する企業が増加しました。
動画のマニュアルは「視覚と聴覚からダイレクトに理解できる」「コストを節約できる」などのメリットがあります。
動画マニュアルは無料ソフトで作成することも可能。
動画編集のできる社員がいれば、低コストで研修などを開催することもできるのです。
そこで今回は、
- マニュアル動画の事例と種類
- マニュアルを動画にするメリットとデメリット
- マニュアル動画を作成する流れ
- おすすめの無料編集ソフト
を順に紹介します。
最後に自社での動画制作が難しいときの対処法も紹介しますので、あわせて参考にしてみてください。
目次
社内マニュアル動画の事例やサンプル集
まずはマニュアル動画のサンプル例として、代表的なものを5つ紹介します。
事例1.三井不動産商業マネジメント【業務手順】
三井不動産商業マネジメントは、運営する「ららぽーと」でマニュアル動画を採用しています。
内容は入館や開店準備、入金など新たに配属された店舗スタッフに向けて業務を解説するもの。
複雑な施設での仕事も、動画にすることで分かりやすくなっています。
事例2.century21【営業・接客】
不動産会社のcentury21は、接客コンテストでグランプリを獲得したスタッフが出演する接客マニュアル動画を作成しています。
動画は名刺交換からスタートし、笑顔でお客さまと話す様子などを映し出しました。
動画は15分の長さですが、実際の接客が分かりやすいうえにYouTube上で何度も見返すことが可能です。
事例3.日経BP 日本経済新聞出版本部【研修】
日経BP 日本経済新聞出版本部は、新入社員に向けた研修動画を作成しました。
学生と社会人の違いなど、体系的に理解できる内容となっています。
事例4.Nintendo【商品紹介】
任天堂株式会社は、「クラシックミニファミリーコンピュータ」の紹介動画を作成しました。
最初はゲームの操作方法からスタートし、本体で遊べるソフトなどもあわせて紹介。
ソフトの紹介順は年代別になっており、懐かしさから実際に遊んでみたくなる内容となっています。
事例5.株式会社ピカコーポレイション【商品紹介】
次はサムシングファンで制作した動画を紹介します。
もともと脚立やはしごを販売していた株式会社ピカコーポレイションが、新たにペット用品を販売されるということで、商品の紹介PVを作成しました。
実際に歩くことが難しいワンちゃんが、サポート器具をつけて歩く姿を撮影しています。
長さは43秒と短いですが、使用した雰囲気や効果が目に見えて分かりやすいです。
動画マニュアルの代表的な種類4つ
続いては、先ほどの事例をふまえながらマニュアル動画の種類として、
- 業務手順
- 営業
- 研修
- 商品紹介や使い方
の4つを紹介します。
種類1.業務手順
業務手順のマニュアル動画とは、自社の仕事の流れやスケジュール、全体像などを理解するために制作されるもの。
内容は業務手順だけでなく、仕事に対する考え方や効率よく進める方法などを紹介することも多いです。
主に新入社員や、新部署に移動して間もない社員などを対象としています。
種類2.営業
営業のマニュアル動画とは、営業職の社員に向けて自社商品を売り込むプロセスやノウハウを伝えるものです。
営業方法やプロセスは、個人の手法に任せている企業も多いのではないでしょうか。
それに加えてマニュアル動画で、トップセールスを記録している営業マンのノウハウなどを共有。
各社員の営業ノウハウ向上、かつ売上アップが期待できます。
また動画は話し方やトーンなども理解できるため、テキストよりも自身のスキルとして吸収しやすいです。
種類3.研修
研修のマニュアル動画とは、主に新入社員に対して制作されるもの。
1つ目に紹介した「業務手順」と似ていますが、研修マニュアルは以下の要素が多くなります。
- 企業理念
- 社内のルール
- ビジネスマナー
また入社数年を超える社員向けの「新人教育研修」や、アパレル業界などにある「店舗運営(テナント)研修」「店長研修」など、ステップアップにともなう研修も少なくありません。
種類4.商品紹介や使い方
商品紹介のマニュアル動画とは、自社商品やサービスの使い方、特徴、組み立て方などを説明したものです。
例えば電化製品を購入したとき、これまではテキストの説明書を参考にしていたのではないでしょうか。
マニュアル動画は実際の商品を使って説明しているため、操作方法などが直感的に理解しやすくなっています。
これまでの種類は「BtoB」や「社内の情報共有」に活用されるのが多いのに対して、商品紹介は「BtoC」に活用されることも多いです。
社内のマニュアルを動画で制作するメリット
続いては、社内マニュアルを動画で作成するメリットとして、
- 理解度が高まりやすい
- 必要な情報を網羅的に知れる
- 作成コストと時間をおさえられる
の3つを解説します。
メリット1.視覚や聴覚からダイレクトに学習でき、理解度も高まりやすい
マニュアルを動画にすることで、仕事の手順や商品の使い方など、視覚や聴覚からダイレクトに学べるようになりました。
テキストだけの解説に比べると情報量が増えるため、理解度は高くなります。
特に複雑な商品説明などが分かりやすく、お客さまがスムーズに使いこなせることが多いです。
メリット2.最後まで視聴しやすく、必要な情報を網羅できる
動画のマニュアルは3〜5分ほどのため、テキストほど読み込んで理解するのに時間がかかりません。
また必要な情報を数分におさめることができるため、入手できる情報量は圧倒的に多くなります。
必要な情報を網羅的に取得でき、不明点を減らすことができるでしょう。
メリット3.作成コストと手間を省ける
マニュアル動画は最初こそ費用や時間がかかるものの、1度制作すれば何度も使用することが可能です。
講義形式の研修はその都度会場の確保など業務が発生し、その金額も決して安いものではありません。
動画のマニュアルは1度に手間を集約できるため、結果的に費用と時間はこれまでより節約できます。
社内のマニュアルを動画で制作するデメリット
次はマニュアル動画のデメリットとして、
- 初回の作成にはコストと時間がかかる
- 情報の取捨選択が求められる
- 専門知識を必要とする
の3つを紹介します。
デメリット1.初めて作成するときはコストと手間がかかる
動画のマニュアルは作成時間と費用がおさえられるとお伝えしましたが、初回の制作にはある程度の時間と費用が発生します。
特に自社に撮影機材がない場合は新たに購入し、編集ソフトなどもそろえることになります。
講師や会場の手配に比べると安いですが、数万〜数十万円の予算は確保しておきましょう。
デメリット2.情報を取捨選択しないとダラダラとした動画になる
動画は伝えたいことを数分におさめられますが、すべての情報を盛り込むとダラダラとした雰囲気になります。
情報は取捨選択して、要点をまとめながら伝えるようにしましょう。
デメリット3.動画の撮影や編集には専門知識が必要となる
動画の撮影と編集には、専門知識が必要です。
パソコンの無料ソフトでも作成は可能ですが、勉強しながら取りかかるぶん完成までの時間は長いです。
編集は動画制作会社に依頼するなど、プロの力を借りながら作成することも検討してみてください。
【関連記事】
動画の大手制作会社12社を一覧比較|大手のメリット&デメリットも解説!
動画のマニュアルを作成する手順とコツ
ここからは、自社でマニュアル動画を制作する人に向けて、手順とコツを紹介します。
ステップ1.構成を考え、情報を集める
まず構成を考えて、作成に必要な情報を集めましょう。
構成とは目次のようなもので、全体の流れを組み立てる大切な要素。
自社のターゲットが知りたいと思う情報、そして起承転結を意識することで伝わりやすくなります。
ステップ2.台本を作成する
構成を考えたら、撮影をスタートする前に台本を作成しましょう。
台本で流れを確認しておくことで、撮り直しなどのリスクを防ぎます。
台本は文章でも絵コンテなどでも問題ありません。
ステップ3.動画を撮影する
台本まで完成したら、いよいよ動画を撮影します。
このときまでに撮影機材や撮影場所を確保しておきましょう。
注意点は、「さまざまなアングルで撮っておくこと」。
同じシーンでもアングルによって見え方が変わるので、撮り直しのリスクを防ぐためにも複数アングルで撮影しておくのがおすすめです。
ステップ4.動画によってはナレーションを挿入する
動画で必要ならば、ナレーションも用意しておきましょう。
ナレーター役とは事前に動画の雰囲気や原稿を共有しておくと、当日の録音もスムーズです。
ステップ5.編集する
動画とナレーションの準備ができたら、編集しましょう。
例えば、
- 字幕の挿入
- BGMや効果音の挿入
- 不要なシーンのカット
- 素材の挿入
などです。
特に字幕があると、音声を出せない状況でも視聴できるようになります。
近年は電車など音を出せない場所で視聴する人も多いため、字幕を用意してあげるのが親切です。
【無料】動画マニュアルの作成におすすめのツールやアプリ
ここまでを読んで、実際にマニュアル動画を制作したいと考えている人も多いかと思います。
そこで無料で利用できる編集ツール・アプリとして、
- DOOONUT
- imovie
- Kine Master
の3つを紹介しますね。
おすすめ①DOOONUT
作成したマニュアル動画を社内で簡単に配信したい場合は、サムシングファンが提供している動画マーケティング支援・戦略ツール「DOOONUT」がおすすめです。
DOOONUTでは、社員や動画を届けたいメンバーだけのセキュアな配信が可能です。
パスワードや限定公開、新規会員登録機能など管理者にとって嬉しい機能がたくさん搭載されています。
動画の視聴データも確認できるので、エンゲージメントの高さも把握できます。
基本的には有料ですが、2週間の無料トライアル期間も用意されているのも大きなポイントです。
また、オンボーディングという利用に関してのサポートも充実しています。
まずはお試しで資料請求したり、無料トライアル期間中に使ってみたりして、自社の運用にフィットしたら有料への切り替えを検討してみてください。
おすすめ②iMovie
参考:iMovie
iMovieは、Macなどアップル製品で使用できる動画編集アプリです。
- 操作が簡単で分かりやすい
- 字幕やBGM、フィルターなどさまざまな機能を搭載している
- SNSへのシェアにも対応している
無料にもかかわらず、プロ並みの映像を作成できると好評です。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
おすすめ③Kine Master
参考:Kine Master
Kine Masterは、iOSでもAndroidでも利用できる編集アプリです。
- 作成から編集まで、さらには共有にも対応している
- 逆再生になどユニークな機能が多い
- コミュニティもあるので動画編集者と交流できる
編集にこだわりたい人におすすめです。
自社での動画マニュアル作成が難しいときは、制作会社への依頼がおすすめ
ここまでマニュアル動画の作成について解説しましたが、自社で作るのが難しいときは動画制作会社への依頼がおすすめです。
例えばサムシングファンでは、50万〜200万円で動画制作が可能。
また企画から一緒に考える、効果測定ツールを使って視聴後の分析にも対応できるなど、最初から最後までマニュアル作成に関わります。
サムシングファンの動画の雰囲気を知りたい方は、映像制作実績をご覧ください。
>>制作実績
終わりに:社内マニュアルの動画化で業務の効率化や習熟度アップを
今回は、マニュアルの動画について解説しました。
ここまでをまとめると、マニュアル動画の作成には以下のメリットがあります。
- 理解度が高まりやすい
- 必要な情報を網羅的に知れる
- 作成コストと時間をおさえられる
またおすすめの編集ソフトとして、以下の3つを紹介しました。
- DOOONUT
- iMovie
- Kine Master
今回の作成ポイントを参考にしながら、マニュアル動画の制作を検討してみてくださいね。