少し前まで、動画といえばテレビ番組や映画の作品が中心でしたが、現在はYouTubeをはじめインターネットでの配信もかなり一般化してきています。
そんな時代の変化にともない、動画制作の仕事の幅、そして動画クリエイターの活躍の場がどんどん広がっています。
「自分も動画の編集や制作ができるようになりたい」
「動画制作で収入を得られるようになりたい」
と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、動画制作をどうしたら仕事にできるのか、仕事内容や年収の目安、どんな人が向いているかも一緒にわかりやすく解説します。
「今すぐじゃなくても将来的に動画制作を始めたい」という人にも参考になる内容です。
ぜひ読んでみてください!
目次
動画制作の仕事内容は?
動画制作と一言で言っても、動画のジャンルや内容はさまざまです。
代表的なものをまとめるとこのようになります。
動画ジャンル | 内容 | 主な媒体 |
テレビ番組 | ニュース、ドラマ、ドキュメンタリー、バラエティーなど様々 | テレビ、ディスク媒体など |
映画 | ドラマ、ドキュメンタリー、アニメーションなど様々 | 映画館、ディスク媒体など |
CM | 企業プロモーション | テレビ、インターネットなど |
ミュージックビデオ | アーティストの楽曲プロモーション | テレビ、インターネットなど |
ゲームアニメーション | ゲーム内の動きや映像 | 各種ゲーム媒体など |
イベント映像 | イベント紹介、展示上映作品、企業プロモーションなど様々 | 各種イベント会場など |
インターネット配信番組 | ニュース、ドラマ、ドキュメンタリー、バラエティーなど様々 | YouTube、Netflix、Amazon Prime、AbemaTVなど |
SNS動画 | レビュー、レポート、体験談など様々 | Instagram、Facebook、Twitter、TikTokなど |
また、動画制作に関わる職種も多岐に渡ります。
下記が主な職種です。
プロデューサー | 動画制作のプロジェクトを統括する責任者。 企画・予算組み・スケジュール管理などを行う。 |
ディレクター | プロデューサーの指示のもと、動画の制作・演出を主導する。 各職種のスタッフに具体的な指示を出しプロジェクトを推進する。 |
制作デスク | 動画制作にあたっての段取り確認や関係各所への連絡・事務作業を行う。 |
放送作家・構成作家 | 番組のコンセプト・企画・台本を作成する。 |
脚本家(シナリオライター) | ドラマ、映画、ゲームなどの脚本を作成する。 |
音声・MAミキサー | 動画に使用する音・ナレーションなどの録音、効果音やBGMの追加、音響効果の編集などを行う。 |
カメラマン | 動画に使用する映像を撮影する。 |
照明オペレーター | 撮影時に撮影場所の照明を調整する。 |
スイッチャー | 主にテレビ番組において、複数のカメラからの映像やVTRなどを演出意図にあわせて切り替える。 |
編集オペレーター | 動画のカット編集、テロップ入れ、その他適宜編集加工を行う。 |
アニメーター | 主にアニメーションの制作において、作画や動画の制作工程を担当する。 |
CGクリエイター | あらゆる動画作品においてコンピューターグラフィックスを用いて映像を制作する。 |
動画制作のプロジェクトでは、これらの職種がチームを組み協力して一つの動画を作り上げています。
また、動画制作の工程は細かく分かれていて、大まかに以下のようなフローで進められます。
企画 ↓ プロジェクト計画 ↓ シナリオ作成 ↓ キャスティング、ロケーションハンティング ↓ 撮影、素材制作 ↓ 編集 |
このように、動画のジャンル・職種によって仕事内容は大きく変わってきます。
自分がどのジャンルの動画をつくりたいか、どの工程でどんな役割で働きたいかを考えることが大切です。
一方で、現在はアプリケーションやデバイスの発達によって動画制作の難易度が大きく下がり、職種間の壁もどんどん低くなっています。
ツールはスマホ1台のみで、企画・撮影・編集まで一人でこなすYouTuberも珍しくありません。
今後さらに動画市場が活発化していくことを踏まえると、一つの職種に特化するとしても、並行して動画制作全般のスキルをある程度身につけておいた方が、将来の可能性がより広がるでしょう。
動画制作に向いているのはどんな人?
プロデューサー、ディレクター、制作デスクなどプロジェクト全体を見る職種では、以下のような特性を持つ人が向いていると言われています。
- コミュニケーション能力が高く交渉ごとや営業活動を苦にしない人
- チームメンバーを取りまとめてリーダーシップを発揮し、プロジェクトを責任を持って主導できる人
- スケジュールや予算など細かい物事を把握・管理するのが得意な人
そしてクリエイターなど技術系の職種では、以下のような特性を持つ人が向いていると言われています。
- コンピューターソフトを使って自ら専門スキルを習得することに抵抗がない人
- 動画業界の流行に敏感で常に最新スキルを柔軟に取り入れられる人
- 一定期間一つの作業に集中して取り組める人
一方で、もし現時点で上記のような特性がなかったとしても、実際に仕事をしていく中で身につくことも大いにあります。
職種間の壁がどんどん低くなっていることも踏まえても、最初はあまり自分の特性や希望職種だけにこだわらず、
- 自分が動画制作にどれくらい夢中になれるか
- 新しい物事にも向上心を持って挑戦できるか
を考えてみてもいいかもしれません。
動画制作を仕事にする方法は?
動画制作で収入を得るには、「動画制作会社に就職する」と「フリーランスとして動画制作を請け負う」の、大きく2つの方法があります。
方法1.動画制作会社に就職する
テレビ会社・広告エージェント・ゲーム制作会社など動画制作に関わる会社に就職する方法です。
実際の現場で働きながらスキルを身につけられ、かつ収入を得られるため、最も堅実な道と言えます。
動画制作市場の急速な成長にともなって、業界全体で人材が不足している背景もあり、現在は未経験でも就職できる制作会社が少なくありません。
また、正社員での就職が難しければ派遣やアルバイトから始めて、アシスタントとしてスキルを身につけながら社員へのキャリアアップ、あるいはフリーランスとしての独立を目指すことも可能です。
就職にあたってスキルや経験を求められる場合は、先に動画制作の専門学校似通ったり、独学してスキルを身につけるという選択肢もあります。
クオリティーの高いポートフォリオや自身のYouTubeチャンネルなどを実績として提示できれば、すぐに専門職に就ける可能性もあります。
方法2.フリーランスとして動画制作を請け負う
会社に所属せず、個人で動画制作の仕事を受注する方法です。
この方法で現在特に需要が高まっている分野が、YouTubeやその他SNSでの配信動画の制作です。
案件にもよりますが、YouTubeやSNS動画の市場には、「テレビ番組やCMほどのレベルの動画制作スキルがなくても、一定のクオリティーさえあれば制作を発注したい」というクライアントが数多く存在します。
そのため、かつては動画制作フリーランスといえば制作会社で経験を積んだ一部のプロフェッショナルしかなれないイメージでしたが、現在は未経験でもチャレンジできる、かなり門戸の広い職業になっています。
そしてこの場合は、カットつなぎやテロップ入れなど独学で身につけられる範囲の最低限のスキルだけでも案件の受注が可能です。
もちろん、大手制作会社の作品のようなハイレベルな動画がつくりたいとなると独学では難しいため、その場合は先に専門学校でスキルを学ぶのもおすすめです。
また、将来的にフリーランスになることも見込んで、まずは制作会社に就職してスキル習得に専念する道も選択できます。
動画制作の仕事の年収は?
ここまで紹介してきたとおり、動画制作はジャンルも職種も多岐に渡るため、年収も状況によって大きく異なります。
あくまで目安になりますが、動画制作の通信講座を運営しているデジハリONLINEの記事によると、
<大手テレビ局や動画制作会社の社員>
700万円~1,000万円くらい<中小の動画制作会社>
600万円くらい<フリーランス>
300万円以下〜1,000万超えまで幅広い
と記載されています。
また、フリーランスの場合は、1案件から得られる収入は動画制作フローのどの範囲までを請け負うかによっても大きく変わってきます。
特に影響するのが新たに撮影が必要かどうかです。
クラウドソーシングサービス大手のランサーズが設定している発注価格相場では、
<新たに撮影が必要な場合>
動画1本につき200,000〜500,000円<新たに撮影が不要な場合>
動画1本につき5,000〜50,000円/本
となっており、撮影の有り・無しで市場価格にかなりの差が出ることが伺えます。
フリーランスの場合は特に、撮影・編集含め動画制作全体をオールマイティーにこなせるほど、年収が上がる可能性が高いと言えそうです。
動画制作の仕事:まとめ
以上、動画制作の仕事内容と、動画制作で収入を得る方法を解説してきました。
動画市場は今後も引き続き拡大し続け、制作ツールの進化とSNSの普及でさらに広く一般化していくと考えられています。
同時にVR動画やドローン撮影など、技術革新にともなう映像自体の多様化・ハイクオリティ化も進んでいて、動画制作のニーズは広がる一方です。
変化の大きい動画業界では積極的な学習努力が欠かせませんが、だからこそ様々な場面で必要とされ、やりがいと将来性を感じられる仕事になるのではないでしょうか。
時代の追い風が吹いている今こそぜひ、動画制作を仕事にする一歩を踏み出してみてください!